英検準1級の要約文を添削していると、
「レベルを上げよう!」という意識から、
あえて複雑な構文や難しい単語を使って書く人が多いです。
もちろん“語彙力や文法力をアピールしたい”という気持ちは大切ですが──
要約問題で大切なのは、読み手が一度で理解できる“分かりやすさ”です。
実際、レベルが高くても読みにくい文は評価されにくく、採点でも伸び悩む原因になります。
なぜ「難しい文」は点が伸びないのか?
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何度も読み返さないと意味が取れない
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めったに使わないレア単語で構成されている
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文の切れ目が少なく、構造が複雑
このような要約は、一見レベルが高く見えても、
「メッセージが伝わらない」
という理由で点数が上がりません。
ここで良い例、悪い例を挙げてみます。
❌ 悪い例(難しく作り込みすぎ)
Overly relying on cutting-edge technologies to address environmental issues may inadvertently engender new challenges that ultimately undermine long-term sustainability.
【日本語訳】
環境問題に対処するために最先端技術に過度に依存すると、長期的な持続可能性を損なう新たな課題を生む可能性がある。
⭕ よい例(分かりやすく言い換え)
Using advanced technology too much to solve environmental problems can create new issues and make sustainability harder to achieve.
【日本語訳】
環境問題を解決しようとして先端技術に頼りすぎると、新たな問題が生まれ、持続可能性の達成が難しくなる。
高市総理の就任演説が“伝わった理由”と同じ
「伝わる文章」の分かりやすさは、政治の世界でもよく話題になります。
これまで多くの総理大臣は、
“自分と同じレベルなら理解できる”
という前提で話してきたため、国民に届きにくかった。
一方で、高市総理大臣の演説が多くの人の心に響いたのは、
“相手が理解できるレベル”に合わせて話したから。
英検準1級の要約も、まさに同じです。
上級レベルほど「簡単で分かりやすい文章」を書く
リーディングでは難しい英文を読み取る必要がありますが、
ライティングは「読み手の理解」を優先します。
上級者ほど、
シンプルでクリア、無駄のない文章を書くのです。
あなたも、自分の書いた要約文を
“初めて読む人”になったつもりで確認してみてください。
「これは一度読んで、すっと理解できるだろうか?」
この視点を持てるようになると、
要約だけでなくスピーキングでも
“自分ではなく相手目線”で伝えられるようになります。
英検準1級の要約問題で点数を上げたいなら、
難しく書くより、相手に伝わるように書くこと。
これが実は、もっとも効果が高い英語を伝える方法です。
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