英検1級の試験勉強中、要約問題においてなかなか高得点が取れないことにずっとモヤモヤしていました。
特に厄介だったのは、「自分ではできたと思っていたのに、点数が伸びない」こと。
要約問題が初めて試験問題になった2024年第1回での低評価は
「初めてだから仕方ない、評価の基準がはっきりしてないのだろう」
と楽観的に捉えていましたが、2回目の低評価で目が覚めました。
「自分の要約には、大事なポイントが抜けていた?英検1級レベルに達していない?」
と認めざるを得なかったのです。
2024年第2回までの要約は文法を正しく使えてはいましたが、アカデミックで自然な表現、ではなかったのかもしれません。
また、添削されていなかったので、自分の好きな、よく使う文法に頼りすぎ、別の表現を取り込むことをしていませんでした。
2. 文法・語いのインプットとバリエーション強化
文法のバリエーションを増やす
私はまず、使える文法、英語表現の「引き出し」を増やすことから始めました。
ここで特に活用したのは『文で覚える単熟語(通称:文単)』です。
この教材を繰り返し読み、聞くことによって、ランダムに1文を聞いたらどんな話か、どんな意味かが分かるレベルにまではなっていました。
そこでそこからさらに一歩進めて、「書ける」「使える」レベルを目指しました。
文単の中には、長文で頻出のアカデミックな表現が多く含まれています。
たとえば、英検サイトにある要約の模範解答や、文単1級を読み込むと、
名詞構文が多用されていると感じました。
ということは1級の要約で名詞構文をどんどん使って行くべき、となります。
✅ 名詞構文の例(通常文 → 名詞構文)
①
・通常文:The company announced a new product.
(その会社は新製品を発表した)
・名詞構文:The company’s announcement of a new product
(その会社の新製品の発表)
②
・通常文:The students succeeded in the exam.
(その生徒は試験に成功した)
・名詞構文:The students’ success in the exam
(その生徒の試験での成功)
③
・通常文:The environmental group warned about global warming.
(環境保護団体は地球温暖化について警告した)
・名詞構文:The environmental group’s warning about global warming
(地球温暖化についての環境保護団体の警告)
名詞構文を使うだけでレベルが上がる気がしませんか?
この文法について知識として持っていましたが、実際自分が書くときに使うことはありませんでした。
しかし、求められているレベルに近づけていく中でこのような文法表現もストックして使えるようになってきました。
よく使う表現は2.3種類のバリエーションを持っておく
自分がよく使う表現は2.3種類の書けるバリエーションが必要です。
1つだと自分の使いたい表現が原文で使われていた場合に言い換えることができません。
例)✅ 「時間がかかる」の英語表現
take time | 最も一般的。「時間がかかる」全般に使える |
be time-consuming | 時間を消費する →「面倒くさい」「効率が悪い」などネガティブな印象 |
require a lot of time | 多少フォーマル |
drag on | (予想以上に)だらだら長引くというネガティブな意味を含む |
こうした表現を、書くためにストックしていくなかで、要約文に深みと正確さが加わるようになりました。
単語は「理解」より「アウトプット」重視で覚える
~頻出テーマの語彙は「書くつもりで」学ぶ~
次に意識したのは、語い力の強化です。
「意味が分かればいい」という覚え方ではなく、自分の手で書ける状態を目指して覚えるようにしました。
とにかくレベルを上げたかったのです。
英検1級レベルの単語には、読解で意味が分かれば十分なものも多いですが、要約では話が別です。
特に、政治・経済・環境・教育など、英検のトピックでよく出る分野の単語は、自分が使うことを前提にインプットしました。
*固有名詞に近いようなもの
例)gentrification(都市の高級化による住民追い出し)
apiculture (養蜂)
こんなの書けなくていいわ、っていうものは理解できるレベルで。
言い換えが必要なら、長くなりますが関係代名詞を使って簡単に言えばいいです。
また、具体→抽象な表現にまとめることも重視しました。
たとえば、
-
“elephant, giraffe, monkey” → “various kinds of animals”
(ぞう、きりん、サル→様々な種類の動物) -
“plastic bottles, old newspapers” → “recyclable materials”
(ペットボトル、古紙→リサイクル素材)
のように、具体的な語を抽象語にまとめる練習を、日々の学習の中で意識的に行いました。
こうした「言い換え力」こそが、要約問題を解く上で大きな武器になります。
まとめ
英検の要約問題で高得点を狙うには、ただ英文を読めるだけでは足りません。
「書ける英語」「言い換えられる語彙」「使える表現」を意識的にストックしていくことが大切です。
特別な才能やセンスがなくても、日々の学習の中で少しずつ工夫していけば、必ず表現力は伸びていきます。
これから要約対策を始める方や、伸び悩んでいる方のヒントになればうれしいです。