英検準1級に合格するまで、私は英検1級の問題を一度も解きませんでした。
準1級に挑戦していた頃の私は、
「準1級に合格できるか分からないし、合格できてもギリギリなのに、1級なんて無理に決まってる」
と思っていたし、
何より、1級に挑戦するつもりもありませんでした。
でも、準1級に合格したあと、ふと
「じゃあ次は1級かな?」
そんな気持ちが、自然と湧いてきました。
■ 過去問を開いて、衝撃を受けた
そして初めて近所の本屋さんで1級の過去問を開いたとき、心が折れそうになりました。
いや、折れました。
-
語い:ほぼ全部知らない
-
長文:内容も構造も複雑で意味が取れない、2行目で脱落
-
リスニング:速度は速くないのに、内容が難しくて頭に入ってこない
語い問題は 1〜2問しか正解できない。
長文は「どこから読めばいいの?」というレベル。
リスニングは「何の話?」で終わる。
正直に言うと、
「何から手を付けていいか分からないし、とんでもない時間がかかるかもしれない」
そんな不安でいっぱいでした。
■ でも、そのとき気づいたことがある
私は、当たり前のことを忘れていました。
英検4級で高得点だからといって、
3級の単語を覚えなければ3級では戦えません。
同じように、
準1級で合格したからといって、
1級で少しくらいできるはず、なんて甘い考えだったのです。
そこで私は決めました。
👉 “最初からだ。1から積み上げていこう”
難しい問題集に飛びつくのではなく、
過去問を解くのではなく
まずは1級レベルの土台づくりから始めること。
最初はとにかくインプット。
その覚悟ができました。
■ 若い頃の私なら、きっと逃げていた
もし、もっと若い頃の私なら
-
こんなの無理
-
やめとこう
-
時間のムダ
とあっさり引き下がっていたと思います。
でも、英検準1級という “絶対無理だと思っていた壁” を越えた経験が、
私の考え方を変えました。
「この私でも準1級に受かったんだから、もしかしたら1級もいけるのでは?」
根拠はゼロ。
でも、なぜか 楽観的に“いつかは受かるでしょ” と思えたんです。
■ 英語学習は「頭の良さ」よりも「気持ち」が大きい
たぶん、その感覚は “技術” でも “頭の良さ” でもありません。
「気持ち」 だったんです。
準1級を勉強していたとき、私は
“受からないと意味がない”
と本気で思っていました。
そして同じように、1級も
“絶対にいつか受かる”
と決めていました。
過程が大切、というのもよく分かるんですが、とにかく結果を得たかった。
この「決める」ということが、大人の英語学習にはとても大切なのだと改めて感じます。
生徒さんを見ていても、「〇月の英検に〇級に受かる!」と決めた子は、背伸びしたり、アップアップしたりしながら、見事合格していっています。
■ 大人の学び直しは、若い頃の学習とまったく違う
大人になってから英語を学び直すと、若い頃とは違う“気づき”があります。
-
覚えるスピードは遅いかもしれない
-
忙しくて時間が限られている
-
やめるのが簡単
でも、その代わりに
-
自分で目標を決められる
-
自分の好きなスタイルで学べる
こんな強さがあります。
そんな思いも手伝って、とんでもなく高そうな山に登ることに決めました。
学生時代の受験のために単語を覚えないと!やばい!という嫌~な気持ちでもなく、子供の頃の習い事をさせられてブルーな気持ちでもありませんでした。
大人で、英検準1級に合格したタイミングだったからこそ、1級の問題を見ても心折れず
「トライしてみよう」と思ったのだと思います。

