最近、私の周りやネットでも
「英検準1級がすごく難しくなった…」
「合格率が下がった気がする」
という声をよく耳にします。
結論からお伝えしますね。
みなさんのその体感は大正解です。
今の英検準1級は、間違いなく難化しています。
「昔の感覚」のまま対策をしていると、思わぬところで足元をすくわれてしまうのが、今の準1級の恐ろしいところなんです。
では、一体なぜそこまで難しくなってしまったのか?
今回は、単なる噂ではなく「事実と数値」をベースに、ここ最近の英検準1級の変貌ぶりをお話ししたいと思います。
1. そもそも準1級はどれくらい「狭き門」なのか?
英検協会は2016年以降、公式な合格率を一切発表していません。
ですが、最後に公表されていた時期のデータを見ると、準1級の最終合格率は約15%前後でした。
もともと10人受けて1.5人しか受からない、非常に狭き門だったのです。
しかも、その「受ける10人」というのは、すでに2級を勝ち上がってきた実力者たち。その中での15%ですから、どれほど厳しいかが分かりますよね。
近年は、入試での優遇措置などもあって受験する人が急増していますが、合格のハードル自体は下がるどころか、むしろどんどん高くなっています。
ここで誤解してほしくないのは、英検は「上位◯人だけを合格させる」という定員制(相対評価)ではない、ということです。あらかじめ設定された合格ラインをクリアすれば、全員合格できる仕組みです。
それなのに、なぜ合格が難しくなっているのか?
その最大の理由が、2024年度から始まった「試験のリニューアル」にあります。
2. 2024年リニューアル:消えた「15分」の謎
ここ5年の中で、受験生に最も大きな衝撃を与えたのが、2024年度第1回試験からの問題リニューアルです。
何が変わったかというと、「ライティングが1題から2題に増えた(要約問題の追加)」のです。
これまでの「意見を書く英作文(エッセイ)」に加えて、新しく「要約問題」が加わりました。
「問題が増えたなら、試験時間も伸びたの?」と思いますよね。
ここが落とし穴です。筆記試験の制限時間は「90分」のまま変わっていません。
一応、バランスをとるためにリーディングの問題数が6問減らされました。ですが、これで生まれるゆとりは、ほんのわずかです。
【リニューアル前後の時間配分の違い(目安)】
・筆記試験全体:90分⇒90分(変わらず)
・リーディング目安:約55分⇒約50分(6問減ったけれど、約5分しか浮かない)
・ライティング:約20分⇒約40分(要約が加わり、必要な時間が15分以上もアップ!)
・見直し・マーク確認:約15分⇒ほぼゼロ(圧倒的に見直しの時間が消滅!)
リーディングを50分で解ききれる人は準1級受験者のなかでもかなり上級の人です。
そのため長文が読み切れず、最後は適当にマーク、見直し時間なし、リスニングの先読みができない、ということが起こってしまいます。
さらに追加された要約問題は、「英文をしっかりと読み解き、構成を組み替え、適切な語数で自分の言葉でまとめる」という高い処理能力が必要です。
実は、自分の意見を書く作文よりも、要約問題の方がはるかに高いスキルが必要になります。
さらに、以下の英検の要約問題の「指示文」を比べてみてください。2級と準1級では、求められるレベルが全く違うことが分かります。
【2級の要約問題 指示文】
●以下の英文を読んで、その内容を45~55語の英語で要約し、回答欄に記入しなさい。
級の要約問題 指示文】
●Read the article below and summarize it in your own words as far as possible in English.(以下の英文を読んで、英語で【できるだけ自分の言葉で】要約しなさい)
準1級では、高度な「自分の言葉での言い換え」まではっきりと要求されているのです。
このような難しい要約問題が追加されたことで、試験会場で「時間が足りなくて最後まで解けなかった…」と涙をのむ受験生が続出しているのが現状です。
今の準1級には、高い英語力だけでなく「圧倒的な処理スピード」という新たな壁が立ちはだかっています。
3. 単語帳だけでは通用しない?単語レベルの「1級化」
時間不足に加えて、私自身が日頃のレッスンの中で強く体感しているのが「単語の難度上昇」です。
これまで「準1級対策の定番」とされていた単語帳(パス単など)を完璧に覚えた生徒さんでも、実際の長文やリスニングの選択肢を見ると、「見たこともない単語が平然と混ざっている…」ということが増えています。
かつては「英検1級レベル」とされていた、抽象度の高い単語や専門的な用語が、今の準1級には容赦なく出題されます。
単語帳をただ丸暗記するだけの勉強法では、通用しづらくなってきているのです。
4. リスニングも「リアルな英語」へと進化している
さらに、リスニングやスピーキング(面接)の質も、ここ数年で大きく「リアル化」しています。
以前の英検といえば、聞き取りやすい「クリアで均一なアメリカ英語」が主流でした。
しかし現在は、イギリス英語やオーストラリア英語ニュージーランド英語、さらには多様なアクセント(なまり)や、より自然で容赦のないスピードの話者が当たり前のように登場します。
また、出題されるテーマ自体も難しくなっています。
・気候変動や環境問題
・テクノロジーと倫理
・労働環境の変化
といった現代の社会問題についての背景知識(日本語での理解)がないと、たとえ英語の音自体は聞き取れても、「選択肢のどれが正解か選べない」という問題が起こります。
最近増えている「小学生など低年齢での英検準1級挑戦」においても、合格の鍵はこうした社会知識問題にある程度対応できるか、あるいはその不足分をカバーできるほどの圧倒的な4技能を持っているか、にかかっています。
まとめ:難化した英検準1級を突破するために
今の英検準1級は、
① 要約問題追加による「圧倒的な時間不足」
② 単語レベルの「難化」
③ リスニングの「多様化」
これらが重なり合い、確かに合格のハードルは高くなっています。
「うわ!大変そうだから受けるのをやめとこう…」と思った方もいるかもしれません。
でも、私はこう伝えたいのです。
「ピンチはチャンスです!」
大変そうに見えるこれらを、英検準1級合格のために本気で乗り越えたら、どうなると思いますか?
・文法理解や演習により、一生モノの「速読力」がつく
・要約やライティングの演習により、「論理的思考力」がつく
・「この単語帳だけ」という甘えを捨て、幅広い語い力がつく
・多様な音に触れることで、本当に世界で通用する「リスニング力」がつく
⇒英語力が本気で爆上がりします。
難化した準1級だからこそ、合格したときの価値は以前より高いと言えます。
ピンチをチャンスに変えて、本物の英語力をつかみましょう!

