「英検準1級って昔より難しくなってる?」
そんな声をよく聞くようになりました。
実際、ネット上でも
「英検が年々難化している」
と話題になっています。
私は2008年に英検準1級、2010年と2025年に英検1級に合格しました。
また、英検準1級の生徒さんたちを教えています。
その経験をもとに、15年前と現在の英検準1級の違いをリアルに感じる部分をまとめてみました。
英検準1級の難易度は確実に上がっている
ここ15年ほどで、英検準1級のレベルは明らかに上がっています。
特に以下の点で“難化”を感じます。
-
✅ 語いレベル・出題ボリュームが増えている
-
✅ リスニング・ライティングのレベルが上がっている
-
✅ 面接(スピーキング)での受験者の質が上がっている
英検協会が公式に「難化した」とは発表していませんが、受験者、また教える側の体感としては、確実にハードルが上がっています。
2008年に合格した私が、今受けても受からない理由
私は2008年に英検準1級に合格しましたが、
正直、その時の私なら今の準1級には合格できないと感じています。
英検準1級の合格ラインはおよそ70%前後。
当時のレベル感のまま今の試験を受けたら、
おそらく4技能合計で60%程度しか正答できないと思います。
同じように、2010年に英検1級に合格した時の知識でも、
今の1級には届かないでしょう。
それほど、リーディング、リスニングやライティングの内容が進化しています。
難化の最大の理由は「リスニング」と「スピーキング」
15年前との一番の違いは、リスニングとスピーキングです。
昔の英検リスニングは、スピードも発音も比較的クリアで、アメリカ英語のみ。
「少し英語に慣れていれば対応できる」レベルでした。
しかし現在の試験では、
・英語圏の多様なアクセント(英・米・カナダ・オーストラリアなど)
・要点を即時判断する力
が求められています。
また、スピーキング(面接)も内容が深化。
以前より抽象的なテーマや社会問題が増え、
特に上級で自分の意見を論理的に話す力が問われています。
では、今の受験者は不利なのか?
答えは「いいえ」です。
むしろ、今の受験者は恵まれていると言えます。
その理由は、英語学習環境の劇的な変化。
-
YouTubeやPodcastなど、生の英語音声が無料で聞ける
-
学校教科書にはQRコードで音声付き
-
アプリや教材も音声再生が標準装備
15年前の私は、単語帳の音声を聞くために高額な別売CDを買い、
CDプレイヤーで再生していました。
今ではスマホひとつで、どこでも英語が聞ける時代です。
難化の背景には「英語教育の進化」がある
英検が難しくなったのは、
単に試験が厳しくなったのではなく、日本人全体の英語レベルが上がったからです。
-
小学校から英語教育が本格化
-
英語ニュースや海外ドラマへのアクセスが容易
-
質の高い教材・アプリが無料で手に入る
つまり、「英検準1級の難化」は悪いニュースではなく、
日本の英語力が全体的に底上げされている証拠なんです。
「やらない人」と「やる人」の差がますます広がる時代へ
一方で、英語を学ぶ人のレベルが上がるほど、
英語を学ばない人との差はどんどん広がっています。
今は、環境的には学びやすい時代。
だからこそ、「やらない理由」がどんどんなくなっています。
少しずつでも英語に触れ続けられる人が、確実に力をつけています。
【余談】昔の英語教育を振り返ると、怖くなる
今振り返ると一番「怖い」と思うのは、高校時代のリスニング環境。
ネイティブ音声を聞く機会なんて、授業中の一斉リスニングくらい。
それでセンター試験にリスニングが導入されたんですから、
「よくあれで解いていたな」と思います。
今の学生たちは、毎日のように英語音声を聞ける。
これだけでも、昔よりはるかに恵まれています。
まとめ:難しくなった=学ぶ価値が上がった
確かに、英検準1級は15年前より難しくなっています。
でもそれは、英語を学ぶ環境が進化し、
「本当に使える英語力」が求められるようになったから。
昔より難しいけれど、
昔よりずっと、学びやすい時代になりました。
難化=チャンス。
今こそ、“使える英語”を身につけるチャンスです。

