英検を受ける生徒さんから、これまで何度も聞いてきた言葉があります。
それは――
「英検には文法問題が出ないから、文法はあまり勉強しなくていいですよね?」
確かに、TOEICのように「一見して文法問題」と分かる形式は英検にはありません。
ですが、正しく読む・聞く・書く・話すためには、文法の理解が欠かせません。
実は、文法がしっかりしていると、英検のあらゆる場面で大きな力を発揮するのです。
① 文法力は「速読力」に直結する
英文を読むとき、文法があいまいだと
「この文、どこが主語?」「この to は何のため?」と頭の中で引っかかってしまいます。
一方、文法がきちんと身についていると、
文の構造が一瞬でつかめて、スパン!と理解できるようになります。
結果として読むスピードも上がり、時間配分がカギになる長文問題でも大きな武器になります。
② 要約問題では文法力が問われる
新形式で導入された「要約問題」では、文法理解と文法操作力が重要です。
級が上がるにつれて、以下のような観点で評価されます👇
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文法を正しく使えているか
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多様な文法を使って表現できているか
要約問題では、原文をそのまま書き写すのではなく、自分の言葉で言い換える必要があります。
そのためには、次のような文法操作が欠かせません:
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主語を変える
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動詞を名詞に変える(名詞化)
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受動態にする
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不定詞・動名詞を使い分ける
これらは文法の理解があってこそできることです。
③ 文法を変えると「別の言い方」ができるようになる
例えば「毎日泳ぐことは健康によい」という日本語。
英語ではいくつもの言い方が可能です👇
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Swimming every day makes us healthy.
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Swimming every day is good for our health.
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It is good for us to swim every day.
意味はほぼ同じですが、文の形(文法)が違うことがわかりますね。
要約問題では、このように「文法を変えて言い換える力」が求められます。
④ 要約は「総合力トレーニング」
要約問題は読む・考える・書く力を一気に試す問題です。
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読むとき → 流れと要点を意識する
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書くとき → 類義語で言い換えるだけでなく、文法を変えて言い換えることを意識する
これを繰り返すことで、自然と文法力・表現力が身についていきます。
要約が上達すると、英作文やスピーキングでも多様な言い回しができるようになるのです。
🌱 まとめ
文法は「出題される・されない」ではなく、英語力の土台です。
文法をおろそかにせず、要約練習などを通して「使える文法力」を身につけることが、英検合格への近道です。
ぜひ、要約問題を文法力アップのチャンスとして活用してみてください!