「合格」はゴールじゃない!
見落としがちな落とし穴とは?
英検は5級から始まり、1級まであります。
それぞれの級には、その段階で習得しておきたい文法・語い・表現力がしっかりと組み込まれています。
しかし最近、中途入会の生徒さんからこんな声をよく聞きます。
「3級はなんとなく受かったんですが、特に勉強してなくて…」
「目標は準2級なので、3級の内容はスキップしても大丈夫ですか?」
級をスキップして上を目指すこと自体は可能です。
でもそこには大きな落とし穴があるのです。
英検は「積み重ね」型のテスト
英検の各級は、ただのレベル分けではありません。
実は、それぞれの級ごとに「これを学んでおいてね!」という明確な学習の土台が組まれています。
たとえば、3級でしっかり学んでおくべきは:
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現在完了(have+過去分詞)
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助動詞の使い分け(should / must / can など)
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後置修飾(the boy playing the guitar など)
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基本的な接続詞の使い分け(because / when / if など)
こうした文法は、準2級・2級のテキストであらためて詳しく説明してはくれません。
【実例】こんな落とし穴にご注意!
次のような現象が、スキップ学習でよく見られます。
✔ 単語の混乱:
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「difficult(難しい)」と「different(異なる)」がごっちゃになる
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2級の英作文でbeautiful、foreign、abroadなどの綴りが違う
✔ 文法ルールの未理解:
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「I know the girl singing in front of people.人々の前で歌っている女の子を知っている」という後置修飾の意味を正しくつかめない
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「have been」「had been」などの時制がなんとなくしか理解できていない
これらは、級をスキップして上の級の教材だけを使って学習していると、見落とされがちです。
「なんとなく訳す」= 英語力が伸びにくい理由
こうした基礎があやふやなまま学習を続けると、
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本当は知識が必要な表現も「なんとなく」で読んでしまう
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間違って訳しても、それに自分で気づけない
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長文が読めても、文構造の理解があいまいなまま
- 自分で正しい文が書けない
という状態になってしまいます。
「多読で自然に身につく」…は理想。でも現実は?
もちろん、多読を通して何度も同じ表現に出会い、自然に習得していくのが理想です。
でも実際には、学校・部活・塾などで忙しい高校生にそこまでの時間や余裕はありません。
だからこそ、最短で効率よく力をつけるには、あえて基礎に戻ることが近道なのです。
じゃあ、どうすればいいの?
✅ スキップ学習をする人がやるべき3つのこと
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スキップした級の文法範囲をざっと確認する
→ 参考書の「文法まとめ」ページを活用 -
よく出る単語をチェックする
→ パス単(英検3級)などを使って、自分の苦手を見つける -
実際の過去問を見て、文の型を意識する
→「この文法、知らないかも?」と気づけば、それが学びのチャンス!
まとめ:英検スキップは「復習つき」で成功させよう!
英検では、級を1つ飛ばしてチャレンジすること自体は可能です。
でも、その下の級で学ぶべきことを無視してしまうと、学びの土台がグラグラになります。
だからこそ、スキップする場合は:
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文法の見直し
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単語の整理
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構文の確認
をしっかり行いながら、次の級を目指すのが一番効率的です。
「復習は遠回りのようで、実は一番の近道」。
目先の級だけではなく、本当の英語力を育てる視点を持って学んでいきましょう!